公共工事の受注を目指す建設会社にとって、経営事項審査(経審)の点数向上は重要な課題です。
近年の経審では、売上高や利益だけでなく、技能者の育成や処遇改善に積極的に取り組む企業が評価される仕組みが強化されています。
その代表的な制度が「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」です。
また、自主宣言とあわせて取り組みたいのが、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用です。
今回は、自主宣言制度の概要や経審における加点、CCUS就業履歴蓄積の重要性について解説します。
建設技能者を大切にする企業の自主宣言とは
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」は、技能者の処遇改善や人材育成に積極的に取り組むことを企業自らが宣言する制度です。
建設業界では高齢化や担い手不足が深刻化しており、技能者が安心して働ける環境づくりが求められています。
自主宣言では、例えば次のような取組みを行うことを表明します。
- 技能者の適正な賃金確保
- 社会保険加入の徹底
- 若手技能者の育成
- 資格取得支援
- 安全な職場環境の整備
- CCUSの活用促進
宣言企業は公表されるため、採用活動や取引先へのアピールにも活用できます。
制度の詳細や自主宣言の登録方法については、国土交通省が運営する「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」公式サイトをご確認ください。
経営事項審査では5点の加点対象
経営事項審査では、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を行うことで、社会性等(W評点)において5点の加点を受けることができます。
5点という数字だけを見ると小さく感じるかもしれませんが、経審では数点の差によって格付けや入札参加資格に影響するケースもあります。
そのため、比較的取り組みやすい加点項目として注目されています。
また、次のような加点項目と組み合わせることで、さらなる評点向上が期待できます。
- CCUS活用状況
- 若年技術者・技能者の育成
- 健康経営への取組
- 技術職員数の充実
- CPD単位取得状況
経審対策では、一つの大きな加点を狙うよりも、取得しやすい加点項目を積み上げることが重要です。
「技能者を大切にする企業の自主宣言」は5点の加点ですが、CCUSの就業履歴蓄積に関する取組は最大15点の加点対象となります。経審対策としては、自主宣言とCCUS運用をセットで進めることが重要です。
なぜCCUSが経営事項審査の加点対象になったのか
経営事項審査にCCUS(建設キャリアアップシステム)が導入された背景には、「技能者の処遇改善」という大きな目的があります。
従来の経審では、自社で雇用する技術者や技能者の育成・確保については評価されていましたが、下請企業に雇用される技能者の処遇改善に関する取組については十分な評価項目がありませんでした。
しかし、建設業界では実際に現場で働く技能者の多くが専門工事業者や下請企業に所属しています。
そこで国土交通省は、下請企業の技能者も含めた処遇改善を推進するため、CCUSの活用状況を経営事項審査の評価項目に位置付けました。
CCUSによって技能者の資格や経験、就業履歴を客観的に記録することで、適正な評価や処遇改善につなげることが期待されています。
また、国土交通省は「あらゆる工事におけるCCUS完全実施」を目標として掲げており、今後もCCUSの活用はますます重要になると考えられます。
CCUSの就業履歴蓄積も重要な評価ポイント
自主宣言とあわせて取り組みたいのが、建設キャリアアップシステム(CCUS)の運用です。
CCUSは、技能者の資格や就業実績を記録・管理するための仕組みであり、現在では建設業界の標準的な制度として普及が進んでいます。
特に重要なのが「就業履歴蓄積」です。
就業履歴蓄積とは
就業履歴蓄積とは、技能者が現場に入場した際にCCUSカードを読み取り、その現場で働いた実績を記録する仕組みです。
蓄積された履歴は、
- 技能者の経験の見える化
- レベル判定
- 処遇改善
- 現場管理の効率化
などに活用されます。
経審で評価されるのは「就業履歴を蓄積できる現場運営」
経営事項審査では、単にCCUSへ登録しているだけではなく、実際に就業履歴を蓄積できる体制を整えているかが評価されます。
具体的には、元請企業が
- CCUS事業者登録
- 現場登録
- カードリーダーの設置
- 就業履歴蓄積のための環境整備
を行っていることが重要です。
経審では、
- 直近事業年度のすべての元請工事で就業履歴蓄積のための措置を実施 → 15点
- 直近事業年度のすべての公共工事で就業履歴蓄積のための措置を実施 → 10点
として評価されます。
自主宣言とCCUSは相性の良い取組み
自主宣言制度とCCUSは、どちらも技能者を大切にする企業づくりを目的としています。
自主宣言によって企業の姿勢を示し、CCUSによって技能者の経験や能力を適切に評価する。
この2つを組み合わせることで、
- 経審の加点対策
- 技能者の定着率向上
- 若手人材の採用強化
- 企業イメージ向上
といった効果が期待できます。
まとめ
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」は、経営事項審査において5点の加点対象となる制度です。
また、CCUSの就業履歴蓄積を適切に行うことで、技能者の育成や処遇改善につながるだけでなく、経審対策としても有効です。
経審では取得しやすい加点項目を確実に積み上げることが重要です。
当事務所では、
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- CCUS登録・運用支援
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をサポートしております。
「自社で取得できる加点項目を知りたい」「CCUSの運用方法が分からない」という場合は、お気軽にご相談ください。


