税務申告が終わりひと安心した頃に、「建設業の決算変更届はどうすればいいのだろう?」と悩まれる事業者の方も多いのではないでしょうか。
建設業許可を受けている事業者には、毎事業年度終了後に「決算変更届」の提出が義務付けられています。
今回は、意外と見落とされがちな決算変更届について、その目的や提出期限、必要書類を分かりやすく解説します。
決算変更届とは
決算変更届とは、建設業許可を受けている事業者が毎年提出しなければならない届出書類です。
提出期限は、事業年度終了後4か月以内です。ただし、実際には税務申告の内容を基に書類を作成するため、税務申告完了後できるだけ早めに準備を進めることが大切です。
なお、個人事業主の場合は、毎年4月末日までに提出する必要があります。
提出が遅れると、建設業許可の更新や経営事項審査(経審)の申請に支障が生じる場合がありますので注意しましょう。
なぜ決算変更届を提出する必要があるのか
「税務署に決算申告をしているのだから、それで十分ではないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、税務申告用の決算書と建設業許可における決算変更届では、その目的や記載内容が異なります。
例えば、税務申告用の決算書では会社全体の売上や経費を集計しますが、建設業の財務諸表では建設業に関する売上や完成工事原価を区分して記載します。
建設業以外の事業を行っている場合は、その売上を「兼業事業売上高」として区分し、「建設業としての売上高」を明確にしなければなりません。
また、建設業独自の様式では、完成工事高や完成工事原価、完成工事総利益(粗利益)などを記載する必要があります。
さらに、税務申告では作成しない次のような書類も提出します。
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 健康保険等の加入状況
このように、決算変更届は単なる決算書の提出ではなく、建設業者としての経営状況や施工実績を行政庁へ報告する重要な手続きなのです。
決算変更届で提出する主な書類
決算変更届の提出自体には手数料はかかりませんが、作成・収集しなければならない書類は少なくありません。
主な提出書類は次のとおりです。
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 使用人数 ※変更がある場合
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書(法人の場合)
- 注記表
- 事業税の納税証明書(手数料400円)
- 健康保険等の加入状況 ※変更がある場合
特に工事経歴書は閲覧対象となる書類であり、記載内容に誤りがないよう慎重な作成が求められます。
決算変更届を提出しないとどうなる?
決算変更届は毎年提出が義務付けられている書類です。
提出が遅れても直ちに建設業許可が取り消されるわけではありませんが、さまざまな場面で支障が生じる可能性があります。
建設業許可の更新ができない場合がある
建設業許可は5年ごとに更新手続きが必要ですが、過去の決算変更届が提出されていない場合、更新申請を受け付けてもらえません。
更新期限直前になって未提出が発覚すると、数年分の書類をまとめて作成しなければならず、大きな負担となります。
経営事項審査(経審)を受けられない
公共工事の入札に参加するために必要な経営事項審査では、直前の決算変更届が提出済みであることが前提となっています。
決算変更届が未提出の場合、経審申請を進めることができず、入札参加に影響する可能性があります。
行政庁から指導を受けることがある
決算変更届の提出は建設業法で定められた義務です。
長期間未提出の状態が続くと、許可行政庁から提出を求める通知や指導を受ける場合があります。
毎年期限内の提出がおすすめ
決算変更届は後回しにすると、工事経歴書の作成や工事実績の確認に時間がかかり、さらに負担が大きくなります。
税務申告が終わったタイミングで決算変更届もあわせて作成し、毎年期限内に提出することをおすすめします。実際に当事務所へご相談いただくケースでも、『更新の案内が届いて初めて未提出に気づいた』というケースが少なからず発生。
まとめ
決算変更届は、建設業許可を維持するために毎年必ず行わなければならない重要な手続きです。
税務申告が終わったからといって安心せず、期限内に必要書類を揃えて提出しましょう。
「工事経歴書の書き方が分からない」「決算書との整合性に不安がある」「毎年の手続きを専門家に任せたい」といった場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。
With.行政書士法人の報酬
| 決算変更届の作成・提出 | 44,000円(税込) |
| 決算変更届の工事経歴書を注文書から作成する場合 | 上記に+33,000円(税込) |

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